YaST ではローカルプリンタとネットワークプリンタの両方を設定することができます。印刷処理に関する情報 (一般的な情報、技術的な詳細、トラブルシューティング) については 第7章 「印刷の操作」 をお読みください。
YaST を起動して
› を選択します。既定では のビューが表示され、利用可能なプリンタと設定済みのプリンタがそれぞれ表示されます。このような仕組みにより、ネットワーク上にある多くのプリンタに接続するような環境で、特に便利に利用できるようになっています。ここではプリンタの設定のほか、 を利用することができます。お使いのマシンにプリンタが接続されている場合は、 CUPS をインストールして動作させておかなければなりません。 CUPS が動作していない場合は起動するかどうかを尋ねられます。システムの起動時に開始するように設定されていない場合は、そのように設定するかどうかも尋ねられます (可能であれば設定しておくことをお勧めします) 。
一般的な USB 接続のプリンタは自動的に検出されます。自動的に検出されない場合は、プリンタの電源が入っていること、およびマシンに接続されていることを確認してください。
プリンタの設定は 3 つの手順で行います。 1 つめは接続種類の指定、 2 つめはドライバの選択、 3 つめは印刷キューの名前設定です。
1 つのプリンタの型式に対して複数のドライバが用意されていることがあります。プリンタを設定する際、 YaST では一般的に 推奨
とマークされたドライバを使用します。通常はドライバを変更する必要がありませんが、カラープリンタで白黒印刷のみを行いたいような場合などは、敢えて白黒のみのドライバを使用したりすることができます。また、 PostScript プリンタで画像を印刷する際に性能面の問題がある場合は、 PostScript ドライバを PCL ドライバに切り替えて使用したりすることができる場合があります (もちろんお使いのプリンタが PCL 対応である場合に限ります) 。
お使いのプリンタに対するドライバが現れない場合、一覧にある汎用ドライバを利用して、適切なプリンタ言語 (プリンタを制御するためのコマンド集) を使用するように設定することもできます。なお、対応するプリンタ言語について、詳しくはプリンタ側のドキュメンテーションをお読みください。それでもうまくいかない場合は、17.1.1項 「YaST を利用したドライバの追加」 をお読みのうえ、その他の解決方法を探ってみてください。
プリンタは直接使用することはせず、印刷キューを介して使用します。このような仕組みにより、複数の印刷ジョブを同時に受け付けて、 1 つずつ処理するようなことができるようになっています。それぞれの印刷キューは特定のドライバに結びついたものであり、プリンタは複数のキューを持つことができますので、たとえばカラープリンタに対して、白黒印刷のみを行う 2 つめのキューを設定したりすることができます。印刷キューについて、詳しくは 7.1項 「CUPS の流れ」 をお読みください。
YaST を起動して
› を選択し、 YaST プリンタモジュールを開始します。の画面が表示されたら、 を押します。
既にプリンタが 接続の指定
内に検出されている場合は、そのまま次の手順に進みます。検出されていない場合は、 もしくは のいずれかを押します。
ドライバの検索と割り当て
内のテキストボックスに、製造元とモデル (型式) を入力して、 を押します。
お使いのプリンタに該当するドライバを選択します。上に表示されたほうのドライバを選択することをお勧めします。ドライバが見つからない場合は、下記を試してみてください。
入力する文字列を変えてみてください。
を押して、検索の範囲を広げてみてください。
それでも見つからない場合は、 17.1.1項 「YaST を利用したドライバの追加」 の手順に従ってドライバを追加してください。
既定の用紙サイズ
を選択します。
内に、印刷キューに割り当てる名前を入力します。
これでプリンタが既定値で設定され、使用できるようになります。
を押して に戻ってください。新しく設定したプリンタが、一覧内に表示されるようになります。openSUSE Leap では、提供されている全てのドライバがインストールされているわけではありません。新しいプリンタを追加する際、 で適切なドライバが見つからない場合、お使いのプリンタに対応したドライバを含むパッケージをインストールしてください:
YaST を起動して
› を選択します。の画面から を押します。
ドライバの検索と割り当て
にある を押します。
一覧から 1 つまたは複数のドライバパッケージを選択します。プリンタ定義ファイルのパスについては、 何も指定しないでください 。
パッケージのインストールを確認して
を押します。これらのドライバを直接使用する場合は、 手順17.1「新しいプリンタの追加」 の手順で進めてください。
PostScript プリンタの場合は、プリンタドライバソフトウエアは不要です。PostScript プリンタでは、製造元と型式に合致した PostScript プリンタ定義 (Printer Description (PPD)) ファイルだけが必要です。 PPD ファイルは、プリンタの製造元が提供しています。
PostScript プリンタを追加する際、
内に適切なドライバが見つからない場合、下記の手順で PPD ファイルをインストールすることができます:PPD ファイルの提供元は複数あります。まずは openSUSE Leap の追加ドライバパッケージとして提供しているもので、既定でインストールされていないものをお試しください (インストール手順については下記をお読みください) 。追加ドライバパッケージ内にお使いのプリンタがない場合は、 PostScript プリンタの製造元が直接公開しているか、ドライバ CD 内に同梱されている PPD ファイルをお使いください。詳しくは 7.8.2項 「PostScript プリンタに対応する PPD ファイルが存在しない場合について」 をお読みください。それ以外にも、 https://www.openprinting.org/printers にある 「OpenPrinting.org printer database」 をお使いいただくこともできます。 OpenPrinting から PPD ファイルをダウンロードする場合は、 OpenPrinting では最新の Linux に対するサポート状況を示しているだけであり、 openSUSE Leap には当てはまらない場合があり得ることに注意してください。
YaST を起動して
› を選択します。の画面から を押します。
ドライバの検索と割り当て
にある を押します。
利用可能なプリンタ定義ファイルの作成
内にあるテキストボックスに、 PPD ファイルのフルパスを入力します。
新しいプリンタ設定の追加
に戻ります。
PPD ファイルを直接使用するには、 手順17.1「新しいプリンタの追加」 の手順に従って進めます。
プリンタに対する既存の設定を編集することで、接続の種類やドライバなどの基本的な設定を変更することができます。また、用紙サイズや解像度、メディアソースなどの既定値を変更することもできます。それ以外にも、プリンタの定義を変更することで、識別子を変更したり場所を変更したりすることもできます。
YaST を起動して
› を選択します。画面で一覧から編集するプリンタを選び、 を押します。
手順17.1「新しいプリンタの追加」 で説明しているとおり、接続の種類やドライバを変更します。この作業は、現在の設定では問題がある場合にのみ実施すべきものです。
必要であれば、
にチェックを入れて既定のプリンタに設定します。+
記号を押してオプションの一覧を展開し、項目を押してください。変更が終わったら を押して閉じてください。
ネットワークプリンタは自動的に検出することができません。 YaST のプリンタモジュールを利用して、手作業で設定する必要があります。お使いのネットワーク設定にもよりますが、印刷サーバ (CUPS, LPD, SMB, IPX など) に対して印刷する設定のほか、ネットワークプリンタに対して直接印刷する (一般に TCP) こともできます。ネットワーク経由での印刷を設定するには、 YaST プリンタモジュールの左側に表示される
を選択します。Linux 環境では、ネットワーク経由で印刷する際に CUPS を使用します。最もシンプルな設定方法は、全てのクライアントから直接アクセスできる単一の CUPS サーバを介して設定する方法です。複数の CUPS サーバを利用して印刷する場合は、リモートの複数の CUPS サーバとの通信を行うために、ローカル側の CUPS デーモンも動作させる必要があります。
CUPS サーバでは、自身の印刷キューをネットワーク側にアナウンスする際、従来型の CUPS 参照 (ブラウジング) プロトコルのほか、 Bonjour/DNS-SD を使用することができます。クライアント側ではこれらの一覧にアクセスして、プリンタの選択と出力先の選定を行います。印刷キューを参照するには、 CUPS サーバを介して印刷するクライアント側で、 cups-filters-cups-browsed
パッケージ内にある cups-browsed
サービスを動作させておかなければなりません。 cups-browsed
は、 YaST でネットワーク印刷を設定することで、自動的に開始されるようになります。
cups-browsed
を開始しても参照がうまく行かない場合、 CUPS サーバが Bonjour/DNS-SD を介してネットワーク側に印刷キューをアナウンスしている場合があります。この場合は、 avahi
パッケージをインストールして、全てのクライアントで sudo systemctl start avahi-daemon
を実行して、関連するサービスを開始してください。
YaST を起動して
› を選択します。左側の一覧から
を選択します。にチェックを入れて、サーバの名前もしくは IP アドレスを入力します。
を押すと、名前や IP アドレスが正しいことを確認することができます。
を押して に戻ります。これで CUPS サーバ側にある全てのプリンタが表示されるようになります。
YaST を起動して
› を選択します。左側の一覧から
を選択します。にチェックを入れます。
一般設定
では、どのサーバを使用するのかを選択します。ネットワーク内にある全てのサーバから通知を受け取ることができるほか、指定したホストから受け付けることもできます。ホストを指定する場合は、ホスト名もしくは IP アドレスを指定してください。
を押すとローカルの CUPS サーバを再起動するように求められますので、 を押します。サーバが再起動すると、 YaST は 画面に戻りますので、 を押して検出されたプリンタを表示してください。通知が届くまでにはしばらくの時間がかかることがありますので、しばらく経ってから押すことをお勧めします。
お使いのネットワークで CUPS 以外の印刷サーバを介した印刷サービスを提供している場合は、 YaST を起動して
› を選択し、左側にある を選択します。あとは を押して を選びます。以降、お使いの環境におけるネットワークプリンタの設定の詳細については、ネットワーク管理者にお尋ねください。