openSUSE Leap のインストールメディアを使用している際、何らかの問題に直面した場合は、まずインストールメディアが正しく書き込まれていることを確認してください。これを行うには、対象のメディアから起動を行ったあと、起動メニューから › (日本語の場合は › ) を選択してください。これにより最小限のシステムが起動し、デバイスの選択が求められます。あとはデバイスを選択して を押すと、チェックを実施することができます。
動作中のシステムでは、 YaST を起動して
› を選択します。あとはメディアを挿入して を押すだけです。チェックにはしばらくの時間がかかります。チェックの際、何らかのエラーが検出された場合は、そのメディアをインストール用に使用してはなりません。メディアの問題は、たとえば DVD を独自に書き込んで作成した場合などにも発生します。このような場合は、低速 (4x 等) で書き込みを行って、問題を回避してください。
お使いのコンピュータに内蔵の起動可能な USB/DVD ドライブがない場合でも、いくつかの代替案があります。
Linux はほとんどの USB メモリ や DVD ドライブに対応しています。お使いのシステムに DVD ドライブがない場合でも、 USB や FireWire, SCSI などで DVD ドライブをお使いのシステムに接続して、それを起動用に使用することができます。また、何らかの問題に直面した場合は、 BIOS を更新することで解決する場合もあります。
お使いのマシンに USB メモリ や DVD ドライブがない場合でも、イーサネットのポートがあれば、すべてをネットワーク経由で取得するインストール形態を取ることができます。
お使いのマシンに DVD ドライブやネットワークの接続がない場合は、 USB メモリ を使用することができます。
BIOS 内での起動順序設定が正しく設定されていない場合、インストールメディアからの起動が失敗する場合があります。インストールメディアから起動するには、 BIOS の起動順序設定で USB メモリ や DVD ドライブを優先するよう設定する必要があります。
まずはマシンの電源を入れた後の画面表示に従って、 BIOS 設定画面に入るためのキーを押します。
AWARD BIOS が搭載されたマシンで起動順序を変更するには、 Enter を押します。
の項目に移動します。製造元によっては のような名称になっているものもあります。項目が見つかったら、それを選択して画面が表示されたら、 Page ↑ や Page ↓ を押して、 USB メモリ や DVD ドライブが最初にくるようにします。
や と書かれた項目を探します。ここで設定が終わったら、 Esc を押して BIOS セットアップ画面を終了します。設定を保存するには、 を選択するか、 F10 を押します。設定保存の確認メッセージが表示されたら、 Y を押します。
Ctrl–A を押してセットアップ画面を開きます。
を選択します。接続されたハードウエアコンポーネントが表示されます。
ここで USB メモリ や DVD ドライブの SCSI ID を覚えておきます。
Esc を押してメニューを終了します。
Enter を押します。
を選択します。 では を選択してUSB メモリ や DVD ドライブの ID を入力して再度 Enter を押します。
Esc を 2 回押して、 SCSI BIOS の開始画面まで戻ります。
画面を終了し、
を選んで設定を保存したあと、コンピュータを再起動します。インストール時に言語やキーボードを選択した場合であっても、ほとんどの BIOS 設定画面では下記に示す US キーボードレイアウトが適用されます:
特に非常に古いマシンや非常に新しいマシンの場合、起動に失敗する場合があります。これは、インストール時のカーネル内に必要なハードウエア向けのドライバが存在していなかったり、特定のハードウエアでドライバがうまく動かなかったりするためです。
起動してすぐの画面で
を選択してもインストールシステムが開始できない場合、下記をお試しください。DVD がドライブ内にある場合は、 Ctrl–Alt–Del を押すか、ハードウエア側のリセットボタンで再起動を行います。
起動してすぐの画面で F5 を押します。矢印 (カーソル) キーを利用して ( ) を選択して Enter を押し、あとは通常通り を選択します。これにより、 ACPI による電源管理技術を無効化して起動します。
あとは 第3章 「インストール手順」 に示された手順で、通常通りインストールします。
これでもうまくいかない場合は、代わりに
( ) を選択してみてください。これにより、 ACPI と DMA の両方のサポートを無効化します。ほとんどのハードウエアで問題なく動作するようになるはずです。どれを選択してもうまくいかない場合は、その種類のハードウエアに対応するために特定の起動パラメータを指定してみることもできます。利用可能な起動パラメータについて、詳しくはカーネルのドキュメンテーション /usr/src/linux/Documentation/kernel-parameters.txt
をお読みください。
kernel-source
パッケージをインストールすることで、カーネルのドキュメンテーションを読むことができます。
ドキュメンテーションには、起動プロンプトに入力することのできるその他の ACPI 関連の起動パラメータが書かれています。
acpi=off
このパラメータを指定すると、お使いのコンピュータで ACPI サブシステムを完全に無効化します。お使いのコンピュータが ACPI を処理できないものである場合や、何らかの問題があるような場合に便利です。
acpi=force
お使いのコンピュータの BIOS が 2000 年以前に作成されたものであっても、 ACPI を強制的に有効化します。このパラメータは、 acpi=off
と共に設定した場合でも、 ACPI が有効化されます。
acpi=noirq
ACPI を IRQ のルーティングとして使用しないようにします。
acpi=ht
Hyper-Threading を有効化するためだけに ACPI を使用します。
acpi=strict
ACPI の仕様に厳密に準拠して動作するようにします。
pci=noacpi
新しい ACPI システムの PCI IRQ ルーティングを無効化します。
pnpacpi=off
BIOS 内の設定でデバイスリソースが正しく設定されていないような場合、このオプションを有効化すると問題を回避できるかもしれません。
notsc
タイムスタンプカウンタを無効化します。このオプションは、お使いのシステムでタイミングの問題が発生する場合の回避策となるものです。これは比較的新しい機能であるため、お使いのマシンで時刻関連の問題のほか、ハングアップしてしまうような問題を検出した場合、このオプションを試してみることをお勧めします。
nohz=off
nohz 機能を無効化します。お使いのマシンがハングアップしてしまうような場合に有用です。
正しいパラメータの組み合わせが判明したら、 YaST 側では次回以降の起動でそれらを続けて使用できるよう、ブートローダの設定内にそれらを書き込みます。
カーネルの読み込み時やインストール中に不可解なエラーが発生した場合は、起動メニュー内で
を選んで、メモリのテストを実施することをお勧めします。 でエラーが発生した場合は、ハードウエアのエラーであるものと思われます。を選択すると起動まではうまくいくものの、その後のグラフィカルなインストールシステムが開始できない場合があります。
このような状況に対応する方法がいくつかあります。
インストール画面で使用する画面の解像度を変更してみると解決する場合があります。
を選択してインストールして回避する方法もあります。
また、グラフィカルなインストールシステムを VNC 経由で表示させて、ネットワーク上離れた場所からインストールする方法もあります。
インストールシステムを起動します。
F3 を押してメニューを表示させ、インストール時に使用する解像度を選択します。通常はより低い解像度ほど成功しやすくなっています。
あとは 第3章 「インストール手順」 で説明しているとおり、 を選んで通常通りインストールします。
インストールシステムを起動します。
F3 を押して を選択します。
あとは 第3章 「インストール手順」 で説明しているとおり、 を選んで通常通りインストールします。
インストールシステムを起動します。
起動パラメータのプロンプトで、下記のように入力します:
vnc=1 vncpassword=パスワード
ここで、 パスワード には VNC インストール時に使用するパスワードを設定します。
あとは Enter を押すと、インストールを始めることができます。
を選んでグラフィカルなインストールシステムが起動する代わりに、システムはテキストモードで表示を行います。起動が終わると、インストールシステムに接続するための IP アドレスとポート番号が表示されます。 Web ブラウザまたは VNC ビューアアプリケーションを利用することで、インストールシステムを表示することができるようになります。
ブラウザを利用してインストールシステムに接続する場合は、ブラウザを起動して openSUSE Leap マシンに表示された IP アドレスから、下記のように入力して Enter を押します:
http://マシンの IP アドレス:5801
VNC パスワードを入力するためのブラウザウインドウが表示されます。パスワードを入力して進めてください。あとは 第3章 「インストール手順」 の手順でインストールすることができます。
VNC によるインストールは、任意のオペレーティングシステムで動作するブラウザをお使いいただくことができます。ただし、 Java サポートが必要です。
VNC ビューアを起動して、 IP アドレスとパスワードを入力します。ウインドウが表示されたら、そこにはインストールシステムが表示されているはずです。あとは通常のインストールと同じです。
ドライブにメディアを挿入して BIOS のルーチンが終了しても、システムがグラフィカルな起動画面を表示しない場合があります。この場合は、最小限の機能だけが用意されたテキストベースのインターフェイスが表示されます。これは、グラフィカルな画面を表示するためのグラフィックメモリが無いような場合に発生します。
テキストベースの画面は非常に機能が限られているように見えますが、機能面ではグラフィカルなインストールシステムとほとんど同じです:
グラフィカルなインターフェイスとは異なり、キーボードの矢印 (カーソル) キーでは起動パラメータを選択することができません。テキストモードの起動画面では、起動オプションをキーボードから入力する機能だけが用意されています。使用できるキーワードはグラフィカルな場合と同じです。必要な値を入力して Enter を押すと、起動処理が始まります。
起動パラメータを選択したら、起動プロンプト内に必要なキーワードを入力します。起動パラメータについて、詳しくは 4.4項 「起動が失敗する」 をお読みください。インストールシステムを開始するには、 Enter を押します。
インストール時に使用する解像度は、ファンクションキー (F1 ... F12) で設定することができます。テキストモードで起動する場合は、 F3 を押してください。