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適用先 Calc 15.7

11 LibreOffice Calc Edit source

概要

LibreOffice の表計算モジュールの使用方法を説明しています。

Calc は LibreOffice における表計算モジュールです。表計算には複数のシートが含まれていて、シート内にはテキストや数値、数式などのセルが含まれています。数式は他のセル内にあるデータを操作することができる機能で、計算結果を数式のあるセルに表示することができます。 Calc ではデータ範囲の指定やフィルタ、並べ替えなどにも対応しているほか、データを視覚的に表示するためのグラフ化機能も用意されています。またピボットテーブルの機能を利用することで、巨大なデータを組み合わせたり分析したり、比較したりすることができます。

本章では、 Calc に関する主ないくつかの機能のみを説明しています。詳細な説明や詳しい手順については、 LibreOffice のヘルプもしくは 9.11項 「さらなる情報」 内に示されている各種の情報源をお読みください。

注記
注記: VBA マクロについて

Calc では Excel 文書内にある多数の VBA マクロを処理することができます。ただし、 VBA マクロへの対応は完全ではありません。マクロを多用した Excel 表計算文書を開く場合は、その内容によって修正を行う必要に迫られることがあります。

11.1 新規文書の作成 Edit source

新規に Calc の文書を作成する際は、下記のいずれかを行います:

  • 何もない状態からの作成: 何もない空の文書を作成する場合は、 ファイル › 新規作成 › 表計算ドキュメント を選択します。

  • テンプレートを利用した作成: テンプレートを使用するには、 ファイル › 新規作成 › テンプレート を選択して、 フィルタ表計算 を選択します。あとは表示された一覧の中からいずれかを選択して、 開く を押します。なお、既定の LibreOffice にはテンプレートが含まれていませんので、あらかじめご了承ください。

ウインドウの下部にあるタブを押すことで、それぞれのシートを表示させることができます。

あとは必要に応じてデータを入力していきます。外観を調整したい場合は、 書式 ツールバーやサイドバーのパネルを使用するか、もしくは 書式 を利用して設定してください。また、 11.2項 「Calc での書式とスタイルの使用」 で説明しているスタイルを定義して使用することもできます。文書の印刷や保存を行いたい場合は、 ファイル メニューもしくはツールバー内のボタンをお使いください。

11.2 Calc での書式とスタイルの使用 Edit source

Calc には表計算文書やレポートの外観を改善するための内蔵セルスタイルおよび内蔵ページスタイルがいくつか用意されています。これらの内蔵スタイルはほとんどの用途で十分なものですが、よく使用するような書式設定があるような場合は、独自にスタイルを作成してもかまいません。

手順 11.1: スタイルの作成
  1. サイドバーで スタイル を押すか、 F11 を押します。

  2. スタイル パネルの上部にある、 セルスタイル アイコンもしくは ページスタイル アイコンのいずれかを選択します。

  3. スタイル パネルに表示されたスタイル一覧内の任意の場所でマウスの右ボタンを押し、 新規 を選択します。

  4. スタイルに設定する名前を指定し、様々なタブ内にある書式オプションを設定します。

  5. スタイルの設定が終わったら、 OK を押します。

手順 11.2: スタイルの編集
  1. サイドバー内で スタイル を押します。

  2. スタイル パネルの上部にある、 セルスタイル アイコンもしくは ページスタイル アイコンのいずれかを選択します。

  3. 変更したいスタイル名の上でマウスの右ボタンを押し、 編集 を選択します。

  4. 書式オプションを変更します。

  5. スタイルの設定が終わったら、 OK を押します。

特定のセルに対してスタイルを適用するには、まず適用先のセルを選択します。あとは スタイル ウインドウ内で適用したいスタイルを選んでダブルクリックします。

11.3 シートでの作業 Edit source

シートは計算情報をまとめるための適切な方法です。たとえば仕事で利用している場合、月ごとにシートを分けて保存しておくことで、利益や費用などをよりわかりやすく管理することができます。

末尾のシートの後ろに新しいシートを挿入するには、ウインドウ下部のシートタブの隣にある + ボタンを押します。

複数の新しいシートを一括で挿入したり、もしくはファイルからシートを挿入したり、もしくは特定の場所に挿入したりしたい場合は、下記を実施します:

手順 11.3: 新しいシートの挿入
  1. シートタブの上でマウスの右ボタンを押し、 シートを挿入 を選択します。ダイアログが表示されます。

  2. まずは新しいシートの配置場所 (選択したシートの前に追加するのか、後ろに追加するのか) を選択します。

  3. 新しいシートを作成する場合は、 新しく作成 のラジオボタンが選択されていることを確認します。また、作成するシート数とシート名をそれぞれ設定します。

    他のファイルからシートを取り込む場合は、下記のようにして行います:

    1. ファイルから作成 を選んで 検索 を押します。

    2. ファイル名を選択して OK を押します。一覧内にシート名が表示されるようになります。

    3. 取り込みたいシートを選択します。選択の際、 Shift を押しながら選択すると、複数のシートを選択することができます。

  4. OK を押して完了すると、シートが挿入されます。

シートの名前を変更するには、対象のシートの上でマウスの右ボタンを押して、 シートの名前を変更 を選択します。シート名をダブルクリックしてもかまいません。

1 つもしくは複数のシートを削除するには、下記を実施します: まずは削除したいシートを選択します。複数のシートを選択するには、 Shift を押しながら範囲を選択します。あとはシートの上でマウスの右ボタンを押して、 シートの削除 を選択します。確認メッセージが表示されたら はい を押します。

11.4 条件付き書式 Edit source

条件付き書式の機能は、表計算内で特定の値に対してハイライト表示を行いたいような場合に便利な機能です。あらかじめ条件を指定しておいて、その条件に合致 (true) すると、その合致したセルに対してスタイルが適用されます。

注記
注記: 自動計算の有効化について

条件付き書式を使用する際には、 データ › 計算 › 自動計算 を選択しておく必要があります。 自動計算 の横にチェックマークが表示されているようにしておいてください。

手順 11.4: 条件付き書式の使用
  1. まずはスタイルを作成します。このスタイルは指定した条件に合致 (true である場合) に適用されるものです。 書式 › スタイルの管理 を選択するか、 F11 を押します。詳しくは 手順11.1「スタイルの作成」 をお読みください。続行するには OK を押します。

  2. 条件付き書式を適用するセルの範囲を選択します。

  3. メニューから、 書式 › 条件付き › 条件 を選択します。すると、ダイアログが表示されます。

  4. 新しい条件に対するテンプレートが表示されます。条件として設定可能な選択肢は下記の通りです:

    セルの値が

    セル内が特定の値になっているかどうかをテストする条件です。隣に表示されたドロップダウンボックスでは、 次の値に等しい , 次の値より小さい , 次の値より大きい などのように、演算子を指定します。

    数式が

    指定した数式が true を返すかどうかをテストする条件です。

    日付が

    特定の日付に到達しているかどうかをテストする条件です。

    すべてのセルが

    このモードでは、セル内の値によってデータの視覚表現を変えることができます。 セルの値が のテスト条件に似ていますが、 すべてのセルが では、 1 つの条件でスタイル範囲をまとめて適用することができます。

    使用できるスタイルの種類には、カラースケール (セルの背景色) やデータバー (セル内で幅の異なるバー) 、アイコンセット (セル内のアイコン) があります。

    カラースケールとは、たとえば 0 に対しては黒い背景色を、 100 に対しては緑色の背景色を設定したりすることができます。その間の値に対しては自動的に計算され、たとえば 50 であれば暗い緑色の背景が割り当てられます。

  5. この例では、既定値のまま (セルの値が) に設定します。

  6. 演算子を選択し、比較対象の値を入力します。

  7. その条件に合致する (true) 場合に適用したいスタイルを選択するか、 新しいスタイル を選択して新しい外観を指定します。

  8. さらに条件を追加したい場合は、 追加 を押し、ここまでの手順を繰り返し行います。

  9. 最後に OK を押します。これでセルに対するスタイルが変更されます。

11.5 セルのグループ化とグループ化解除 Edit source

セルの範囲をグループ化することで、表計算内の一部を隠蔽することができます。これにより、注目して欲しい箇所以外を隠すことができますので、表計算文書が読みやすくなります。行や列をグループ化することができるほか、他のグループ内に別のグループを入れ子にすることもできます。

範囲をグループ化するには、下記の手順を行います:

手順 11.5: 選択した範囲のセルに対するグループ化
  1. 表計算文書内で、セルの範囲を選択します。

  2. データ › グループ化およびアウトライン › グループ化 を選択します。すると、ダイアログが表示されます。

  3. グループ化したい範囲を、行または列で指定します。指定を行ったら OK を押して閉じます。

セルをグループ化すると、左もしくは上の余白にグループ化されたことを示す線が表示されるようになります。また、 + のアイコンを押すことで、展開や集約を行うことができます。さらに、左上の余白に表示された数字により、特定のレベルまで展開もしくは集約を行うこともできます。

セルの範囲に設定したグループ化を解除するには、まずグループに属したセルを選択してから、 データ › グループ化およびアウトライン › グループ解除 を選択します。これにより、余白内の線が消えます。また、最も内側のグループから順番に解除が行われます。

11.6 ヘッダとしての列もしくは行の固定化 Edit source

表計算文書内に多数のデータが存在する場合、スクロールで移動してしまうと、ヘッダが表示されなくなってしまいます。 LibreOffice では行や列、もしくは行と列の両方を固定することができます。これにより、ヘッダが表示された状態のままスクロールを行うことができるようになります。

行だけ、もしくは列だけを固定したい場合は、下記のようにして行います:

手順 11.6: 行もしくは列の固定
  1. 行に対して固定領域を作成したい場合は、固定したい行の下にある行ヘッダ ( 1 , 2 , 3 , ...) を選択します。

    列に対して固定領域を作成したい場合は、固定したい列の右にある列ヘッダ ( A , B , C , ...) を選択します。

  2. 表示 › 行と列の固定 を選択します。黒い線が表示され、固定されていることがわかるようになります。

行と列の両方を固定することもできます:

手順 11.7: 行と列の固定
  1. 固定したい行の下、かつ固定したい列の右側のセルを選択します。たとえばヘッダが A1 から B3 までの範囲に書かれている場合は、 C4 のセルを選択します。

  2. 表示 › 行と列の固定 を選択します。黒い線が表示され、固定されていることがわかるようになります。

固定を解除するには、 表示 › 行と列の固定 を再度選択します。メニュー項目内に書かれていたチェックマークが外れ、固定が解除されていることがわかるようになります。

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