GNOME は、要件や個人的な好みに合わせて様々なカスタマイズを行うことのできる、使いやすいグラフィカルインターフェイスです。本章では、 GNOME の既定の設定環境をもとにして説明を行っています。既定値を変更している場合は、外観やキー入力の組み合わせなど、いくつかの要素が異なりますが、基本的な考え方は変わりません。
openSUSE Leap では、 GNOME をベースとした 3 種類のセッション設定が用意されています。それぞれ GNOME, GNOME クラシック, SLE クラシックと呼ばれます。ここで説明している内容は GNOME ですが、それぞれの違いはホーム画面やメインメニューの外観の違いであり、いずれのセッション設定も大幅に異なることはありません。
特定のユーザに対して 第5章 「YaST を利用したユーザ管理」 をお読みください。
の設定を行った場合を除いて、システムは全てのユーザに対して認証を求めます。自動ログインを設定すると、システムを起動すると指定したユーザで自動ログインを行います。このような設定は、コンピュータを 1 人で使用するような場合に有用ですが、セキュリティ面の危険が伴うことになります。自動ログインの機能は、インストール時に有効化/無効化を設定することができるほか、インストール後に YaST のユーザとグループの管理モジュールを利用することでも、設定を行うことができます。詳しくはお使いのコンピュータをネットワーク環境で使用する場合や、複数のユーザで共有して使用するような場合、システムを起動したあとにユーザ名とパスワードを入力するよう求められます。
ログイン画面ではユーザ名を選択します。
一覧にユーザ名が現れていない場合は、
を押し、表示されたテキストボックスにユーザ名を入力して を押します。パスワードを入力して Enter を押します。
既定のもの以外の GNOME のセッションを設定したり、その他のデスクトップ環境を使用したりしたい場合は、下記の手順を実施します。
通常通り、まずはログイン画面でユーザ名を選択するか、入力するかします。
セッションの種類を変更するには、右下にある歯車のアイコンを押します。するとメニューが現れます。
メニューの中からいずれかの項目を選択します。お使いのシステムの設定によって、表示される選択肢は異なりますが、一般的には下記のような選択肢が表示されます。
開発元のデザインに近い GNOME 4 の設定です。できる限りユーザに対して作業を邪魔しない設計になっています。しかしながら、アプリケーションの起動やアプリケーション間の切り替えについては、他のほとんどのデスクトップオペレーティングシステムとは異なる設計になっています。画面の上部には 1 つだけパネルが表示されます。 また、このセッションでは Wayland を使用します。
GNOME クラシックは古いデスクトップ環境を使用したいユーザ向けの設定です。 GNOME 4 技術をベースにしていますが、ユーザインターフェイスに多数の変更が加えられています。
既定では、 openSUSE Leap の GNOME は Wayland を使用します。こちらを選択することで、 Xorg 経由で GNOME を起動することができます。
資源の消費の少ない基本的な機能のみを持つデスクトップです。他の選択肢ではうまく動作しない場合や、動作が遅い環境で有用です。
できる限り少ないハードウエア資源で動作する、最小限の機能のみが提供されるデスクトップを開始します。
テキストボックス内にパスワードを入力して Enter を押します。
セッションの種類をいったん切り替えてログインすると、選択した内容が記憶され、次回以降の既定のセッションとして設定されます。戻したい場合は、上記の手順を再度実行してください。
トップバーにはウインドウやアプリケーションに対するアクセス機能が用意されています。ここから音量や画面の明るさを制御できるほか、バッテリー状態の確認やログアウト、ユーザの切り替えなどの作業を行うことができます。
オーバービューは、ウインドウやアプリケーション、ファイルやフォルダ、 Web などへのアクセス機能を提供します。
ログイン直後には GNOME デスクトップが表示されます。トップバーには
オーバービューのほか、カレンダーや メニューなどがあります。下記では各要素の詳細を示しています:オーバービューは、ウインドウやアプリケーション、ファイルやフォルダ、 Web などへのアクセス機能を提供します。
1.2.1項 「 で説明しています。 オーバービュー」
オーバービューについての詳細は、ここには現在の日付と時刻が表示されます。このメニューを押すとカレンダーを表示することができるほか、日付や時刻の設定を行うこともできます。
トップバーの右端には、音量の調整やディスプレイの明るさ調整、ネットワークの接続や電源設定、ログアウトなどを行うことができる
メニューが表示されます。オーバービューには全てのウインドウのプレビューと、お気に入りアプリケーションと動作中のアプリケーションに関する情報が表示されます。このほか、検索や参照などの機能も備えています。
オーバービューを開くには、いくつかの方法があります:
トップバー左隅にある
ボタンを押す方法。マウスポインタを画面左上のホットコーナーに移動する方法。
キーボードの Meta を押す方法。
オーバービューには、下記のような主要な要素が用意されています。
上部には検索ボックスが表示されています。ここに名前を入力することで、アプリケーションや設定、ホームディレクトリ内のファイルなどを検索することができます。
検索を行う場合でも、わざわざ検索ボックスをマウスで選択する必要はありません。 Enter を押す必要もありません。
オーバービューが表示されている状態で、キー入力を行えば、そのまま検索を行うことができます。検索は即時に実行されますので、ダッシュ
ダッシュ
は中央下に配置されている棒状の表示です。ここにはお気に入りとして設定されているアプリケーションのほか、ウインドウを開いている全てのアプリケーションが表示されます。それぞれのアイコンの上にマウスカーソルを移動すると、マウスカーソル付近にその名前を表示します。アイコンの下に小さなドットが表示されている場合は、そのアプリケーションが起動されていることを表しています。
アイコンをマウスの右ボタンで選択すると、それぞれのプログラムに対応した様々なアクションを含むメニューが表示されます。この中にある ダッシュ
内に表示させることができるようになります。逆に ダッシュ
から削除したい場合は、 を選択します。アイコンの順序を変更したい場合は、マウスの左ボタンでアイコンを選択し、そのボタンを押したまま移動先まで動かしたあと、ボタンを離してください (ドラッグと呼びます) 。
プログラムを起動するには、下記のいずれかを実施します:
トップバーにある
を押して、メニューからアプリケーションを選択します。Meta を押して オーバービューを表示させます。
プログラムの正確なコマンド名が分かる場合は、 Alt–F2 を押して、表示されたダイアログ内にコマンドを入力して、 Enter を押します。
1.2.1項 「 をお読みください。 オーバービュー」
オーバービューについて、詳しくはセッションを一時停止したり閉じたりしたい場合は、右上の隅にある
メニューを開いて電源ボタンを押し、表示された中からいずれかを選択します。セッションを一時的に停止させ、コンピュータを最小限の電源消費のみで動作させるようにします。サスペンド時に画面を施錠 (ロック) して、他のユーザから覗き込まれたり、作業途中の状態を邪魔されたりしないようにこともできます。サスペンドからの復帰は、コンピュータを起動し直すよりはずっと素早く行うことができます。 :
このモードは RAM へのサスペンドやスリープ、スタンバイモードなどと呼ばれることもあります。
現在のセッションを終了して、コンピュータを再起動します。システムの更新作業を行ったりした場合に再起動を行うことになります。 :
現在のセッションを終了して、コンピュータの電源を落とします。 :
現在のセッションを終了しますが、コンピュータは起動したままの状態にします。必要であれば、他のユーザがログインすることもできます。なお、このオプションは、システム内に複数のアカウントが設定されている場合にのみ利用できます。 または :
画面を施錠 (ロック) するには、トップバーの右上隅にある
メニューを開いて、南京錠の形のアイコンを押します。画面を施錠すると、時計付きのカーテンが表示されます。その後しばらくすると画面が消灯します。
画面を解錠するには、マウスカーソルを動かすか、何らかのキー入力を行います。あとはパスワードを入力して Enter を押すと、解錠を行うことができます。
や のメニューは、システムに複数のユーザが存在する場合にのみ表示されます。
トップバーの右上隅にある
メニューを開いて電源ボタンを押し、表示された中からいずれかを選択します。いずれかを選択することができます:
現在のセッションを終了し、ログイン画面に戻ります。
セッションを一時的に停止させ、他のユーザでログインして使用できるようにします。
トップバーの右上隅にある
メニューを開いて電源ボタンを押し、表示された中からいずれかを選択します。いずれかを選択することができます:
セッションを一時的に停止させ、コンピュータを最小限の電源消費のみで動作させるようにします。サスペンド時に画面を施錠 (ロック) して、他のユーザから覗き込まれたり、作業途中の状態を邪魔されたりしないようにこともできます。サスペンドからの復帰は、コンピュータを起動し直すよりはずっと素早く行うことができます。
現在のセッションを終了し、コンピュータを再起動します。
現在のセッションを終了し、コンピュータの電源を落とします。