QEMU は高速に動作するクロスプラットフォーム対応のオープンソース型マシンエミュレータです。数多くのハードウエアアーキテクチャに対応し、オペレーティングシステムを一切修正することなく、既存のシステム (VM ホストサーバ) 内にもう 1 つのオペレーティングシステム (VM ゲスト) を動作させることができます。また。 QEMU はデバッグ目的でもしようすることができます。動作中の仮想マシンをいったん停止して状況を調査したり、状態の保存や復元を行ったりすることもできます。
QEMU は主に下記の部品から構成されています:
プロセッサエミュレータ
グラフィックカード, ネットワークカード, ハードディスク, マウスなどの擬似デバイス
対応するホストデバイスの擬似デバイスとして動作する汎用デバイス
デバッガ
エミュレータを操作するためのユーザインターフェイス
QEMU は一般的なマシンの擬似を提供することから、 KVM や Xen の仮想化での中心的な役割を演じています。 Xen での QEMU の使用はユーザ側からは隠蔽されていますが、 KVM ではほとんどの QEMU の機能を透過的に提供しています。なお、 VM ゲスト のアーキテクチャが VM ホストサーバ と同じであれば、 QEMU は KVM アクセラレーションによってより高速に動作するようになります (なお、 SUSE では、 KVM アクセラレーション機能が有効化されている場合のみをサポート対象としています) 。
仮想化インフラストラクチャやプロセッサ固有の中枢機能を提供する以外にも、 QEMU ではアーキテクチャ固有のユーザスペースプロクラムを用意し、 VM ゲスト の管理用に使用しています。なお、アーキテクチャによって別々のプログラムとなっていて、具体的には下記のような名前になっています:
qemu-system-i386
qemu-system-s390x
qemu-system-x86_64
qemu-system-aarch64
移行では、このコマンドは qemu-system-アーキテクチャ
と呼んでいます。お使いの環境に合わせて、 qemu-system-x86_64
などに読み替えてください。