QEMU は高速に動作するクロスプラットフォーム対応のオープンソース型マシンエミュレータです。数多くのハードウエアアーキテクチャに対応し、オペレーティングシステムを一切修正することなく、既存のシステム (VM ホストサーバ) 内にもう 1 つのオペレーティングシステム (VM ゲスト) を動作させることができます。また。 QEMU はデバッグ目的でもしようすることができます。動作中の仮想マシンをいったん停止して状況を調査したり、状態の保存や復元を行ったりすることもできます。
本章では、 openSUSE Leap 15.7 を QEMU-KVM ベースの仮想マシンホストとして動作させるまでの手順と、その使用方法について説明しています。
virt-manager
や virt-install
など、 libvirt
ベースのツールを利用することで、仮想マシンの構築から管理までを便利に行うことができます。実態としては、これらは qemu-system-ARCH
コマンドのラッパーとして動作していますが、 libvirt
ベースのツールを使用せずに qemu-system-ARCH
を直接使用することもできます。
仮想ディスクイメージの準備 (詳しくは 35.2項 「qemu-img を利用したディスクイメージの管理」 をお読みください) を行ったあとは、対応する仮想マシンの起動を行うことができます。 35.1項 「qemu-system-ARCH を利用した基本的なインストール」 では VM ゲスト のインストールから実行までの簡単なコマンドを紹介してきましたが、本章では qemu-system-ARCH のより詳しい説明のほか、特定の作業を行うための解決方法についても説明しています。 qemu-system-ARCH に用意されている全てのオプションについて説明を読みたい場合は、マニュアルページ (…
qemu-system-アーキテクチャ
(たとえば qemu-system-x86_64
) で仮想マシンを起動した場合、ユーザ側からの操作を受け付けるためのモニタコンソールが起動されます。モニタコンソール内ではコマンドを入力して実行することができますので、ここからリムーバブルメディアの変更やスクリーンショットの採取、オーディオのキャプチャなど、仮想マシンに対するさまざまな制御を行うことができます。