4 支援技術 #Edit source
概要#
GNOME デスクトップには組み込みの支援技術が備わっていて、障害のある方に対するサポートが提供されているほか、一般的な補助機器の使用もできるようになっています。本章では、視覚や運動能力に障害のある方の要件に適合する、いくつかの支援技術を紹介しています。
4.1 支援技術の有効化 #Edit source
支援技術 (アクセシビリティ機能) を設定するには、まずデスクトップでマウスの右ボタンを押して を選択します。あとは表示されたウインドウで を選択します。表示されたダイアログでは、個別に支援技術を有効化することができます。
個別の支援技術に直接アクセスしたい場合は、 を有効化します。これにより上部のバー内に人型のアイコンが表示され、ここからそれぞれのアクセシビリティに素早くアクセスできるようになります。
4.2 視覚への支援 #Edit source
設定内の セクションには、視覚に障害のある方向けの機能が用意されています。
を有効にすると、それぞれのインターフェイス要素の前景色と背景色のコントラストを上げることができます。
を有効にすると、ユーザインターフェイスを操作した際のアニメーション表示を少なくすることができます。
を有効にすると、ユーザインターフェイス内で使用する全ての文字を大きくすることができます。
を設定すると、マウスポインタが見つけやすくなります。
を有効にすると、 Num Lock や Caps Lock キーを押した際にブザー音が再生されるようになります。
を有効にすると、スクロールバーがコンテンツ内に表示されるようになり、不要な際に自動的に隠れるようになります。
を有効にすると、キーボードフォーカスの設定されたテキストを読み上げることができます。
注記
この機能は、現時点では日本語に対応しておりません。あらかじめご了承ください。
4.3 聴覚への支援 #Edit source
ダイアログ内の セクションには、聴覚に障害のある方向けの機能が用意されています。
を にすると、アプリケーション内で警告音が発生した場合に、ウインドウのタイトル部分や画面全体を点滅させることができます。
4.4 キーボードとマウス #Edit source
ダイアログ内の や のセクションには、運動能力に障害のある方向けの機能が用意されています。
セクションで を有効にすると、キーボード入力が必要となった際、画面の下部にスクリーンキーボードが表示されるようになります。
図 4.1: オンスクリーンキーボード #
数字や記号を入力する場合は、まず ボタンを押してください。その中にも表示されていない記号については、 を押すと現れます。英数字のキーボードに戻りたい場合は ボタンを押してください。
一時的にキーボードの表示を消したい場合は、下向きの矢印が描かれたアイコンを押してください。キーボードは、次にテキストを入力するタイミングで現れるようになっています。キーボードの配列や の設定を変更したい場合は、旗が描かれたアイコンを押してください。
では、支援技術の切り替えをキーボードから実施できるようにすることができます。
では、テキストボックス (例: 端末) でのカーソルの点滅有無と、その速度を設定することができます。
のスライダーを動かすことで、カーソルの点滅速度を早くしたり遅くしたりすることができます。
ではカーソルの動作を確かめることができます。
では、特定のキーをしばらく押した場合に、キー入力を繰り返したものとして扱うかどうかと、そのタイミングを設定することができます。この機能は にすることができるほか、繰り返し入力に対する と を設定することができます。
では、必要な全てのキーをまとめて押すのではなく、修飾キーから順番に押していくことで、まとめて押した場合と同じ効果を発揮する機能を提供します。たとえば Alt–<Tab> を押した場合、ウインドウ間の切り替えを行うことができますが、このような機能がそれにあたります。
固定キー機能を無効化した場合は、それらを同時に押さなければなりませんが、有効化した場合は Alt <Tab> の順に押していくことで、同じ機能として扱われるようになります。
は、キー入力と画面内の文字入力との間に、遅延を設定したい場合に使用します。これにより、入力したいキーをしばらく押したままにしないと、実際の入力が行われなくなります。この機能は、入力したいキーを押す際に別のキーも押してしまうことがある場合や、入力したいキーとは異なるキーを押してしまうことがある場合に設定する項目です。
は、同じキーを繰り返して素早く入力した場合に、 2 回目以降の入力を無視することができる機能です。これにより、手に振戦の症状があるような場合に、繰り返して入力してしまったものを無視することができるようになります。
には下記の項目があります:
: キーボードのテンキーを利用してマウスポインタを移動できる機能を提供します。
: 有効にすると、左 Ctrl を押した際にポインタの位置がわかるようになります。
では、マウスのボタンを 2 回押した際に、ダブルクリックとして認識する時間間隔を指定します。
セクションでは、 で副ボタンのクリック (通常はマウスの右ボタン) の押下を、主ボタンの押下で代替できる機能を提供します。この機能は、指を動かすことが難しいような場合や、お使いのポインティングデバイスに 1 つのボタンしか用意されていないような場合に使用します。
では、画面内の要素にマウスのポインタをあわせた際に、クリック動作を自動的に行う機能を提供します。この機能は、マウスでの移動とクリックを同時に行うことが難しいような場合に使用します。この機能を有効化すると小さなホバークリックウインドウが表示されるようになり、他の全てのウインドウよりも前に現れるようになります。これを使用することで、どのようなクリックを発生させるのかを選ぶことができるようになります。マウスポインタをボタンの上に移動させ、そのまま動かさないでいると、ポインタの色が徐々に変化するようになります。完全に変化するまで置いておくと、ボタンがクリックされるようになります。
4.5 拡大／縮小 #Edit source
ダイアログ内の セクションには、視覚に障害のある方向けの機能が用意されています。
では、画面全体の拡大機能を提供します。
セクションでは、 (拡大表示する範囲) や (画面領域) , (拡大表示範囲の追随) などの詳細を設定することができます。
セクションでは、 (マウスカーソルに重ねるかどうか) や (表示の太さ) , (長さ) や (色) などを設定することができます。
では拡大表示時の (反転表示) のほか、色効果を調整するための (明るさ) , (濃淡) , などを設定することができます。